施工管理技士の最新情報発信

各種施工管理技士の紹介をしています(建築施工管理技士、土木施工管理技士、管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、建設機械施工技士、造園施工管理技士、電気通信工事施工管理技士)

技術者なら知っておきたい「インダストリー4.0」とは? 実際の事例と一緒に紹介します

今回の記事では技術者、そして施工管理技士なら知っておきたい「インダストリー4.0(industry4.0)」についてお話ししたいと思います。そして最近、中小企業なのにIoTを”等身大”の形で取り入れ、話題になっている旭鉄工さんの事例を紹介していきます。

 

f:id:kougainet:20201205112605j:plain

インダストリー4.0とは

インダストリー4.0は第四次産業革命のことを指しています。

歴史上、人類は4つの産業革命を経験してきたと言われています。

どんな産業革命でしょうか?

まずは第三次産業革命までを振り返ってみます

以下であると言われています。

 

industry1.0:”第一次産業革命”で機械化が始まった(主に軽工業)

industry2.0:”第二次産業革命”、電力の仕様と大量生産(主に重工業)

industry3.0:”第三次産業革命”、ITを利用して自働化が進んだ(コンピューター登場)

 

一般的に「産業革命」というと第一次産業革命のことを想像しますよね。

しかし、それと一緒くらい「電気」「IT」なども大きな発明で、僕たち技術者に大きな影響を与えてきました。ですから、これらを第二次産業革命、第三次産業革命として扱っても、おかしくはないですよね。

そして、近年、第四次産業革命(industry4.0)が始まっていると言われています。何が変わっていっているのでしょうか?

f:id:kougainet:20201205112834j:plain

IoTやAIの分野が産業界に大きな影響を与え始めている

近年、技術者に大きな影響を与えている分野と言えば、IoT(Internet of Things)AIの分野だと言えるでしょう。実際にIoTやAIの活用が増えてきているなぁ・・・と感じることが増えてきていますよね。ですから、第4次産業革命はIoTやAIの分野と関係しているんです。

インダストリー4.0とは

 

まずは、一般的に説明されているインダストリー4.0の記述を紹介します。

決定版 インダストリー4.0という本には、以下のように説明されていました。

 

インダストリー4.0とは第4の産業革命のこと。ネットワークで情報をつなげ、コンピュータ、人工知能を活用して、生産や流通などの自動化を最適レベルまで引き上げるという試みです(決定版 インダストリー4.0より)。

また、wikipediaでは以下のように説明されていました。


サイバーフィジカルシステム(CPS)を導入した「スマートファクトリーの実現」がインダストリー4.0の根幹である。生産工程や流通工程のデジタル化により、生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させることを主眼に置いている(wikipediaより)。

ちょっと難しく感じますよね(笑)。

インダストリー4.0に対する僕なりの理解

少し僕なりにかみ砕いて説明してみたいと思います。

今までの産業や生産の効率化のためには機械化、自動化などが進められてきました。しかし近年、生産設備とインターネットがつながるようになってきました。いわゆる「IoT化」というやつです。また、それにAIがかかわってくることで、得られたデータを効率的に分析して、活かせるようになってきました。

これにより、以下のような未来が見えてきました!!

  • 生産ラインの効率化が進んでいく
  • 設備保全が効率よくできるようになる
  • 生産や保全等を効率化した「スマートファクトリ―化」が進めば、サプライチェーン全体が効率化が進んでいくことで「少子高齢化による担い手不足」などの対策にもなる

これらが第四次産業革命(インダストリー4.0)が目指すものです。

ひとつずつ考えてみました。

生産ラインの効率化

例えば、設備へのセンサー取り付けやIoT化が進んでいます

これによって、以下のようなことができますよね。

  • 実際に現場にいなくても設備をコントロールできる
  • センサーなどを利用して設備に係るデータ(異常を示すデータ、生産状況のデータなど)が簡単に採取できるようになった
  • 全てのデータをうまく活用することで、コンピュータ上で生産をシミュレーションしたり、コントロールできるようになってきた

効率的な保全活動に向けた活用とは?

 

一般的な生産効率の向上だけでなく、設備保全の分野にも適用されます。

例えば、設備の異常を示すサインである”異音”や”急な温度上昇”、”急な抵抗の上昇”などを工場内の圧力センサや温度センサなどの各種センサでキャッチできれば、効率的な保全活動が出来ますよね。

よく言われるように、設備が壊れてから修復する「事後保全」から、異常が出る前に兆候をつかみ、効率的な保全ができる「予知保全」へ切り替えることができます(保全方式の説明についてはコチラの記事を参照)。

 

スマートファクトリーよるサプライチェーン全体の効率化

スマートファクトリーになじみがない方のために、以下の分かりやすい説明を引用しておきます。

 

センサーやRFIDと呼ばれる生産機器と製品との自動通信技術を使って、工場(フィジカルエリア)の現場データをIT(サイバーエリア)に蓄積します。そして、IT上で行われる製造シミュレーションが現場と一致するまでの高い精度で情報を吸い上げることにより、設計、生産計画、物流、部品の供給から調達まで最も効率的でスピードアップした製造を実現できる。このレベルの向上のことをスマートファクトリという(決定版 インダストリー4.0より一部改変)。

 

現在日本では少子高齢化がすすんでいます。しかし、IoTやAI技術によって生産性を飛躍的に高めた「スマートファクトリー」を実現すれば、少ない人員で今まで産業規模を維持することができます。こんな生産を実現していきたいですよね!

 

 

まずは”等身大”のスマートファクトリ―化をしてみよう!

とはいっても、以下のような声が聞こえてきそうです。

 

 「そんないきなりIoTやAIと言われても難しいよ」

 「IT技術を扱える人材がいないし・・」

 「うちみたいな中小企業ではそんなこと無理・・・」

 

それも分かる気がします(笑)。

でも、そんな企業でも、

等身大のスマートファクトリ―を目指せばいい!

というのが僕の持論です(笑)。

その事例として有名なのが旭鉄工さんという会社です。

この会社の取り組みを紹介させていただきたいと思います

中小企業が取り組む等身大のスマートファクトリの姿(旭鉄工さんの事例)!

僕は、旭鉄工さんは「中小企業が取り組む等身大のスマートファクトリの姿」の事例だと思っています。まずは、以下のYOUTUBE動画をご覧ください。

 

 

 スマートファクトリーと言っても難しいこと、かっこいいことをしなくても、

簡単なセンサー(光センサーや磁気センサー)などを利用して工夫すれば、格安でIoTを実現、等身大のスマートファクトリ―化が実現できています

この旭鉄工さんの事例は、僕たち技術者にとって良い事例、マネしたい事例じゃないかな・・と思うのです。旭鉄工さんの事例がよくわかる書籍を以下に紹介しておきます!

amzn.to

 

まとめ

この記事では、インダストリー4.0についての解説をしました。

また、中小企業での等身大のスマートファクトリーインダストリー4.0の導入の事例を紹介しました。

僕たち技術者は、「自分たちとは関係ないこと」と考えずに、出来ることからコツコツと取り組んでいきませんか?

 

【スポンサーリンク】