「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第三十号)が、令和元年6月12日に公布され、技術検定制度の見直し(建設業法第27条関係)に係る規定については令和3年4月1日に施行されます。
これに伴い技術検定制度が大きく変わり、令和3年度より新制度の下で試験が行われます。
変更点1.試験の構成
旧制度では、学科試験・実地試験との構成でしたが、新制度では、第一次検定・第二次検定との構成に変更となります。
変更点2.第一次試験合格者に資格付与
令和3年度以降の第一次検定合格が生涯有効な資格となり、国家資格として『施工管理技士補』の称号が付与されます。
第二次検定合格者に対し「施工管理技士」の資格が付与されることになります。
これらの資格は、両方とも一度取得すると、永久の資格となります。
詳しくは下の図をご覧ください。
〇第一次検定・・・施工技術のうち基礎となる知識及び能力を有するかどうかを判定
〇第二次検定・・・施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力を 有するかどうかを判定
・第一次検定及び第二次検定の両方の合格に求められる水準は、原則として現行の技術検定に求められる水準と同程度
変更点3.1級受検資格の見直し
2級の第二次検定を合格した者については、1級の第一次検定を受検するにあたり、1級の受検に必要となる実務経験を得ることなく受検することが可能。
(なお、2級の大維持検定を合格した者として1級の第一次検定を受検し合格した場合においても、1級の受検に必要となる実務経験を得れば、1級の第二次検定の受検が可能)
変更点4.検定基準(試験内容)の再編
現行制度では、学科試験は知識問題、実地試験は能力問題で構成されていました。
しかし、新制度では、第一次検定では、知識問題を中心に能力問題が追加され、第二次検定では、能力問題を中心に知識問題が追加されます。
変更点5.令和3年度技術検定の合格基準について
国土交通省から「令和3年度技術検定の合格基準」が公表されています。
特に、1級の第一次検定の合格基準は、従来の学科試験とは異なる基準が設定されています。よく確認してみてください。
建設機械施工管理
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定(実技試験) 建設機械操作施工法として選択した第一種~第六種までの種別ごと |
得点が60% | |
第二次検定(筆記試験) 建設機械施工法、施工管理法及び建設機械組合せ施工法の科目の合計 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定(実技試験) 受検した建設機械操作施工法の第一種~第六種までの種別について
|
得点が70% | |
第二次検定(筆記試験) 施工管理法科目について |
得点が60% |
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定
|
得点が60% |
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% |
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が50% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% |
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が50% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% |
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が40% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% |
造園施工管理
合格基準 | ||
---|---|---|
1級 |
第一次検定(全体) (施工管理法(応用能力)) |
得点が60% 得点が50% |
第二次検定 |
得点が60% | |
2級 | 第一次検定 | 得点が60% |
第二次検定 |
得点が60% |
※上記の基準以上の人が合格となるが、試験の実施状況等を踏まえて、変更する可能性があります。
詳しくは、国土交通省のHPをご覧ください。
変更点6.受検手数料について
令和3年度から技術検定の受検手数料が変更されます。
受検手数料を以下の表にまとめました。
検定種目 | 1級 | 2級 | ||
---|---|---|---|---|
第一次検定 | 第二次検定 | 第一次検定 | 第二次検定 | |
建築施工管理技士 | 10,800円 | 10,800円 | 5,400円 | 5,400円 |
電気工事施工管理技士 | 13,200円 | 13,200円 | 6,600円 | 6,600円 |
土木施工管理技士 | 10,500円 | 10,500円 | 5,250円 | 5,250円 |
管工事施工管理技士 | 10,500円 | 10,500円 | 5,250円 | 5,250円 |
電気通信工事施工管理技士 | 13,000円 | 13,000円 | 6,500円 | 6,500円 |
造園施工管理技士 | 14,400円 | 14,400円 | 7,200円 | 7,200円 |
建設機械施工技士 | 14,700円 |
38,700円 (操作施工法免除なし) 29,100円 (操作施工法1科目免除) 19,500円 (操作施工法2科目免除) |
14,700円 (1種別につき) |
27,100円 (1種別につき) |
検定種目でも違いますが、令和2年度までの受検手数料と比べて値上がりしています。
最大で10,000円以上値上がりしている検定もあります。
手数料の変更がないのは、出来たばかりの電気通信工事施工管理技士だけです。